通訳で大切なのは話を正しく理解すること
中国企業と自社をつなぐ架け橋になるTHINK
ミクロ技研 国際事業部 所属李 卓羽
中国出身。大学で英語を専攻した後、2022年6月にミクロ技研へ新卒入社。
国際事業部に所属し、中国エリアの営業担当として働く。
海外で活躍するためにミクロ技研へ
大学では英語を専攻していました。私の生まれは中国で、初めて日本に来たのは中学生のころ。そうした経緯もあって、学生時代から海外に興味がありました。将来はグローバルな仕事に就きたいと思っていたことも、英語を学んだ理由の1つです。進学したのは日本の大学でしたが、アメリカやカナダ出身の先生、日本人の先生でも留学経験が豊富な方が多かったですね。
就職活動では、海外で業務がある企業に絞って仕事を探していました。そこで出会ったのがミクロ技研です。中国をはじめ、さまざまな国と取引がある会社と知って興味を持ちました。私は文系出身なので製造業には向いていないのではという思いもありましたが、半導体についてはニュースでもよく耳にしており、現代の生活に必要不可欠なものだという認識でした。将来性のある半導体業界で働くことは自分にとっても勉強になりますし、国際社会への貢献にもつながります。そのような点を魅力に感じ、ミクロ技研に入社することに決めました。とはいえ、不安があったのも事実です。日本で暮らし始めて10年以上経ちますが、日々の生活で文化の違いを感じる場面も少なくありません。ミクロ技研は創業50年近い歴史がある会社ですから、海外出身の私は社風になじめないのではと身構えていた部分がありました。しかし、入社してみると、全くそんな社風ではありませんでした。国際事業部には海外出身の方が多く、お互いを尊重し合う風土だったので、とても心地よい環境だと思いました。
国際事業部の仕事について
国際事業部では、半導体を製造する海外企業に向けて、半導体の材料であるシリコンウェーハを研磨する装置の開発、販売などを行なっています。私の担当エリアは中国です。実際に現地のお客様を訪問することもあります。ただ、私はまだ入社して1年未満なので、取引先との会議における通訳のほか、資料やメールの翻訳が主な業務です。中国語と英語、どちらも使う場面があります。
取引先との会議は半導体の製造や装置に関する内容ですから、専門用語が飛び交います。同じ物事を表していても、中国語と日本語では名称が異なります。つまり、専門用語2つ覚えなくてはいけません。最初は半導体に関する書籍を読んだり、装置の動画を見たりしていました。一番勉強になったのは、装置に関する資料や仕様書の翻訳です。この業務を通じて、専門知識を深めることができました。
文化の違いを理解して通訳する
通訳する際に一番大切なことは、内容を正しく理解すること。自分が理解していない内容は、意味を正確に伝えられません。伝え方や訳し方を工夫することも大切です。日本の場合だと、やわらかい言葉遣いでコミュニケーションすることが多いですよね。一方で、中国の方はストレートに物事を言う傾向があります。また、日本語には尊敬語、謙譲語、丁寧語などさまざまな敬語表現がありますが、中国語にはそこまで表現の種類がありません。そうした文化の違いも意識した上で、お互いの意図や想いを損なわないように通訳することを心がけています。
まだまだ知識は浅いですが、お客様や社内エンジニアからの質問、要望をきちんと理解した上で翻訳し、双方に内容をお伝えできる場面も増えてきました。言語の壁を乗り越えて双方の疑問点を解決できたときは、とても嬉しいですね。
親身になって助けてくれる部署のメンバー
先日、マレーシアで製造装置を納品する案件があり、1カ月ほど出張に行きました。現地で私が担当したのは、取引先の方やエンジニアの通訳です。装置の立ち上げには時間がかかりますし、実際にお客様が使ってみてトラブルが発生したり、使い方がわからなかったりすることがあるので、納品時は出張期間が長くなります。
訪れたことがない国であり、長期出張も初めて。また、仕事で分からないことがあったらどうしようと、出発前は少し心配でした。しかし、出張経験が豊富な先輩や同僚から、自分の経験談や注意すべきことなどを詳しく教えてもらって不安が解消されました。出張中も本社でしかできない仕事を代わりにやっていただくなど、いろんな面でサポートしていただきました。
国際事業部のメンバーは、みなさん温かくて優しいです。仕事上のことからささいなことまで、今までたくさん助けてもらいました。普段オフィスでは集中するときは静かに仕事に取り組みますが、休憩するときはリフレッシュするためにみんなでお茶を飲むこともあります。メリハリをつけて上手に働いている印象です。
残業も少なく、有給もしっかり取れるなど、会社のワークライフバランスも整っています。たまに定時を過ぎて仕事をしていると、先輩から「早く帰ってね」と声をかけられることもあるくらいです。
苦手意識があった営業職が、今ではおもしろいと思える仕事に
実は、初対面の方と話をすることに苦手意識があり、自分が営業担当になるとは思ってもみませんでした。でも、今の仕事をするうちに、さまざまな人と関わる営業職をおもしろい仕事だと思うようになってきました。半導体関連の知識も少しずつ習得でき、自分自身の成長を日々感じています。
しかし、先輩方と比べると自分はまだまだ。成長の余地はたくさんあります。今後は、もっと勉強して、お客様からの質問にすばやく回答できるようになりたいです。コミュニケーション能力もさらに高める必要があります。最終的には、自分1人で装置の契約を結べるようになりたいです。そのために、これからも目の前の仕事に一生懸命取り組んでいきます。
※インタビューは2023年4月に実施しました。